ビールの飲みすぎは痛風のもとになるから気をつけなきゃいけないことは皆さんご存知かと思います。
しかし、なぜビールに含まれるプリン体が痛風の元になるのか詳しく説明できる人は非常に少ないかと思います。
そこで今回は、プリン体の概要や身体への影響などについて説明していきます。
プリン体とは?
プリン体とは、分子内にプリン環といわれる化学構造を持つものの総称で、穀物、肉、魚、野菜など食物全般に含まれる成分です。主に旨みの成分にあたる他、ヒトの体内でも生成、分解されています。
また、細胞数の多いもの、細胞分裂の盛んな組織にプリン体が多く含まれております。
プリン体が含まれるアルコール飲料
一般的になプリン体含有量は、以下のように分類されております。
300mg以上 |
極めて多い |
200~300mg |
多い |
50~100mg |
少ない |
50mg以下 |
極めて少ない |
公益財団法人痛風・尿酸財団の調査によるアルコール飲料のプリン含有量は以下の通りです。
アルコール飲料 |
含量量 |
|
蒸留酒 |
焼酎25% |
0.0 |
ウイスキー |
0.1 |
|
ブランデー |
0.4 |
|
醸造酒 |
日本酒 |
1.2 |
ワイン |
0.4 |
|
ビール |
約5.2 |
|
発泡酒 |
約2.9 |
|
紹興酒 |
11.6 |
|
地ビール |
約18.8 |
|
低アルコールビール |
約7.1 |
体内で分解されるプリン体について
食品に含まれるプリン体のほとんどは、核酸として存在しており、核酸は腸管でヌクレオチドに分解されます。その後、ヌクレオチドはヌクレオシド、プリン塩基へ段階的に分解されます。この分解の過程で、プリン体は体内へ吸収されます。プリン塩基はヌクレオシドと比較して、体内に吸収されにくい性質があります。
プリン体と痛風
通常、プリン体は分解されて尿酸に変化し体外に排出されますが、尿酸量が排出能力を超えると、体内に蓄積されます。
そのため、体内に蓄積されることで痛風が発症します。
上記の表にあるとおり、蒸溜酒よりも醸造酒の方が多く含まれています。
また、ビール・発泡酒のプリン体量は、100mlあたりでそれほど多くはありませんが、お酒を毎日飲む人は痛風が発症するリスクが高まります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。プリン体といえばビールに含まれているイメージがありますが、醸造酒などにも含まれていることが分かったと思います。1本あたりの量はそれほど多くは含まれていないですが、やはり何事にも量が大切である事を覚えていただければと思います。